e-scooter

道が狭く急坂の多い熱海エリアで「ちょっと遠出できる足」として電動スクーターに手を出してみた。
私は限定解除持ちなので本音を言えば普通の(エンジン)バイクがいいのだけど、マンションの駐輪スペースに空きが無いためその選択ができない。
よって排他的選択肢として、エレベーターに乗せることが出来、自室で保管&充電できる小型電動スクーターが魅力的に思えたのだ。

PAFULUO PFL X11DUAL

【特徴】

この機種の最大の特徴は2WD。出力はたったの1000W=1.36ps相当しかないけれど、2輪車好きとしては2WD仕様は「萌え」要素。実際、低速域に限れば十分にパワフルで、熱海港から伊豆山まで、かなりの傾斜を含む急坂を一気に駆け登る事ができた。ただし、コイツは相当に危険な乗り物でもある。

  1. キャスター角が異様に立っている
    セルフステアが全く効かず両手でハンドルをしっかり握っていないと真っすぐ走らない、しかし僅かな力加減で走行ラインが大きくブレるほど敏感。

  2. オモチャレベルのフロントサスペンション
    ストロークが短く直ぐ底突きするし、キャスター角の問題もあって高速走行時の衝撃吸収力は低く、少し路面が荒れているだけで簡単に吹っ飛べる。

  3. 1.2.のように「走行安定性は非常に低い」のに、50km/h以上まで一気に加速できるパワー&トルクを与えられている。


特に「2WDモード&パワーモード2」以上は力強く、まさに暴れ馬のような挙動を示す。例えばキツイ上り坂でのコーナー立ち上がりでは必然的にフルスロットルを与えることになるが、路面が荒れていると簡単に前後輪が跳ね、リヤはパワードリフト状態に陥り、フロントはホイールスピンを起こしながら左右に暴れる。慌ててスロットルを戻してしまうと(ホイールが小さいので)急激に減速して体勢を崩しそうになるし、スロットを開けたまま車体を立て直そうとステアを切ると、舵角に応じてフロントが引っ張られるのでラインが大きく乱れる。私は元オフロードライダーなのでリアが多少スライドする分にはあまり怖くないが、カウンターステア角でフロントが’引っ張られる感覚には強い違和感しかない。(コレ、慣れるかなぁ)

閑話休題。 

歩くのが億劫になる距離を短時間で移動できる「手軽な足」が手に入ったのは喜ばしい事だが、ここまで走行安定性の低い物で公道を走るのは正直危険だと思う。
他のクルマやトラック、バス、バイク達から見れば危なっかしいことこの上ないだろうし、少し無理をしても一気に抜き去りたくなると思う。つまり単体で十分に危険な乗り物というだけでなく、他のドライバーやライダーに余計な緊張を与える乗り物でもあるという自覚も必要だろう。